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  2005年09月  

ゴッホ展が評判になった本当の理由
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1935年、ニューヨークにある近代美術館でゴッホの展覧会が開催された。
当時、ゴッホの名前は、作品よりも『耳切り事件』の方で有名だった。展覧会に先立ち、各新聞もゴッホの変人ぶりを面白おかしく書きたてた。

それがかえっていい宣伝になったのか、展示会は開催以来、連日大盛況だった。とくに、会場のすみに置かれたテーブルの周辺には、大勢の人が集まり群がっていた。
テーブルの上に置かれたこの展示品は、異様なほど関心を集めているようだった。そのテーブルの上には、ビロード張りの小さな箱がおかれており、箱の脇にはこんな説明が気が添えられていた。

「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが自ら切断した耳。1888年12月24日、彼はこの耳を情婦のフランス人娼婦に送ろうとした」

箱の中には、干からびて茶色く変色した耳が入っていた。
古びた肉片の色も、傷口の固まり具合も生々しかったため、思わず口を抑えて立ちすくむ人や、慌てて目をそらす人もいた。

しかし(もちろん)美術館はこんな展示をしてはいない。

異変に気がついた美術館側は慌てて小箱を撤去したが、その時にはすでに数千人の人たちが見たあとだった。

結局、この騒ぎは、ある男が人をびっくりさせてやろうとして仕掛けたイタズラだったのだが、古い革で作った偽物の耳は、誰もが本物だと信じたほど見事な出来栄えだった。

犯人のヒュー・トロイという男は、皆が大騒ぎしたので大満足だったという。この男のイタズラのおかげで、ゴッホ展は大盛況だったというわけだ。


グロテスクなものや猟奇話に惹かれるのは、なにも特別な人ばかりではない。インモラルだの悪趣味だのいわれながらも、実はいつの時代にも人気者だというのがよく分かるお話。
[2005/09/12 12:56] | 奇人伝説 | トラックバック(0) | コメント(0)
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