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  2005年10月  

失敗した死刑の悲惨な記録 (1)
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刑罰の歴史を調べていると、「失敗した死刑の記録」がよく出てくる。大抵、死刑よりも悲惨な死に方になっているのだが、その例は決して少なくない。 結構よく出てくる。(@@;)


17世紀以降、イギリスでは死刑執行人のことを「ジャック・ケッチ」と呼ぶようになったらしいのだが、これは20年以上も死刑執行人として勤めた「ケッチ」という男の名前からとったものだそうだ。

しかし、ケッチという男が歴史に名を残すような名執行人だったからかというと、そうではない。 まったくその反対で、ケッチは処刑の腕前が最悪だったことで有名になった男だという。

1684年、クーデターを企てた罪でモンマス公爵という貴族が処刑台へ送られてきた時、処刑が行われる直前、ケッチはモンマス公爵からチップを渡された。
イギリスでは、貴族を処刑する場合、斧で首を切り落とすことが多かったが、その際、執行人の腕が悪いと一度で首が切り落とせず、何度も首に斧を振り下ろすことになり、死刑囚を余計に苦しませることも稀にあった。
だから公爵は、「最後の願いに、せめて楽にあの世に行かせてくれ。」という意味で、これから自分の首を落とすケッチにチップを渡したのである。


ところが、ケッチは、最初に斧を振り下ろした時、ほんの少し首に切り傷をつけただけだった。再び斧を振り下ろした時も首の肉片が飛び散っただけで、完全には切り落とせなかった。
モンマス公爵はまだ生きていて、血だらけになってピクピク動いていた。

ケッチはその後、2回斧を振り下ろした。

が、首と胴体の間の肉がどんどん削られていっただけで斬首には至らなかった。そこでケッチは斧を使うのを諦め、最後はナイフを使って首を切り離した。

当時、処刑は公開で行われるのが常であり、庶民にとっては格好のエンターテイメントでもあった。
そのため見事な手際でスッパリ首を切り落とす執行人は、民衆の人気者であり、刑場のスター的存在であった。多分、見ていてスッキリするのだろう。
首と胴体が一発できれいに切り離された時には歓声が上がったという。


そんな時代である。


きっと見ていてイライラしたのだろう。
ケッチの処刑を見物していた民衆は激怒した。
あちこちで激しいブーイングが起こった。それが暴動に発展しそうなほどの騒ぎになったため、ケッチは兵士に護衛されながら退場したほどだという。
そないに怒らんでも・・・。期待しすぎやっちゅーねん。(-_-;)

あまりにも腕が鈍かったケッチは、以後、「残忍な性格の男だった。」といわれることになる。
たしかに20年のベテラン執行人にしては手際が悪すぎた。

その場で見ていた民衆から「すぐに殺さずに、いたぶって楽しんでいた。」といわれても仕方がないかもしれない。このことが関係しているのかどうなのか、2年後にケッチは執行人の職をクビになっている。

しかし彼の名前だけは、「死刑執行人=情け容赦無用の冷血漢」というイメージにピッタリくると考えられたのか、執行人の俗称として後世に残った。
なんとも皮肉な話である。
[2005/10/07 01:34] | 残虐事件&残酷史 | トラックバック(1) | コメント(3)
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